家庭教師ヴォックス 家庭教師VOX

家庭教師ヴォックスは過去21年間、愛知県、岐阜県、三重県、静岡県の東海4県で家庭教師という仕事を通してたくさんのお子さんに出会い、接して、卒業させてきました。

今起きている現象というのは、今日のことが原因ではなく、以前のことを原因として今の現象がある。

匿名さん
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このメールを無事家庭教師ヴォックスさんがお読みになっていただける事を願っております。

息子は中学3年生。そうです、まさに受験生です。でも、とても受験生とは思えない勉強量と生活です。

昨年の夏からお付き合いしている女の子がいて、その頃から勉強をしなくなり、夢中です。秋からほんの少しずつ勉強をし始めましたが、喧嘩しては情緒不安定になり、勉強が手につかなくなります。

塾も彼女と一緒の英語の塾には行きますが、他は辞めてしまいました。さすがに受験も迫り、受験勉強を始めるのかしら?と思いきや、大して変わらない状況です。

模試の結果では希望高校には合格圏内です…

でも息子曰く、レベルの高い高校は勉強が大変で部活が思うように出来ないから行かない…と、わざわざランクを下げ、今の自分で入れる高校でいいみたいです。

親として居心地の良い、暖かな居場所を提供したくても、あまりの不甲斐なさに腹立たしさや情けなさで一杯です。

この最後の時期に親が息子に少しでも真剣に受験に向き合って欲しいと思うことはいけないのでしょうか?

因みに、子どもは中学受験で県下一の中学に入りました。

六年生の春に転校してすぐの受験であり、それまで塾にも行ってなかったので、落ちたら可哀想と思う一心で私は必死で息子に勉強を教えました。

今思うと、それがいけなかったのか、自力で学習が出来ないところがあります。問題集を買ってきてとか、わからないところはすぐ私に聞いてきます。勉強は食卓テーブルでして、決して自室ではしません。

あと一ヶ月半…親はどう接するといいのでしょうか。お返事いただければ幸いです。

それと、さすがに家庭教師ヴォックスさんに今からお願いするわけにはいかないですよね?
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こんばんわ!

家庭教師ヴォックスの丹羽です。

一言でいえば、お子さんは「色気付いた」わけですね。

実に答えにくい相談だなあ。

まあ、でもヴォックスというのが「どういうスタンスでやっているのか」とか、家庭教師の立ち位置を皆さんに知っていただく機会と考えていってみますか!

乗るか、乗らないかの判断材料にはなるでしょう。

ご期待に沿うお答えはできそうにない気がしますがね・・・

というのも、まず親が教えるのは
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「色気付く」までに勝負するもの
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と考えているからなんです。

「色気付いた」あとで親のいう事はなかなか効かない。というか、「色気付く」ところまでで、できたことか、それよりも、狭い範囲でしか親のいうことは効かしようがないから。

「色気付く」ことを私たちは「さかりがつく」と表現します。決して悪い意味ではありませんよ。

まあ、家庭教師ヴォックス丹羽なんかは幼稚園で、さかりがつくという超早熟の特異体質でしたし、家庭教師ヴォックスの加藤にしても、恥ずかしながら匿名さんのお子さんよりは5年ほど早く「さかりついた」ロクデナシ。

他人のことをとやかく言う資格はありません。

が、私たちが世間一般よりもかなり早くさかりがついた野良猫2匹だったがゆえにわかるのですが、さかりがつくと勉強なんぞを頑張る意欲というのはついぞ湧いてこなかったことだけはよくわかる。

まあ付き合い方、のめりこみ方は人によりけりですが、この場合はずっぽりハマってしまった場合という意味です。彼女、彼と付き合っても勉強する子供はいますのでね。

まあ、私たち2匹の「さかりがつく」はたぶん匿名さんのお子さんのような感じではなく、四六時中「ガォーガォー」と岩山に登って叫んでいるくらいのほとんど病気の状態でしたから比べようもないのですが・・・

ちなみに症状がひどかったのは間違いなく家庭教師ヴォックスの丹羽よりも家庭教師ヴォックスの加藤のほうだったと自負しております、ハイ。

話を戻します。

「さかりがつく」のは、子供にとっては成長の証しでもあるから悪いことではない。そう考えています。

誰しも遅かれ早かれ「さかりがつく」のは時間の問題。昨今はいつまで経っても「さかりがつかない」若者が多い(草食系というんですか)ことが問題になっているくらいですから、「さかりがつく」のはよろしい。

ただ「さかりがつく」ということは家庭教師ヴォックスの感覚では、「彼岸」に旅立つということなのです。

「彼岸」とは文字通り「彼の岸」「あっちの岸」です。

「彼岸」の反意語は「此岸」だと思いますが、「此岸」とは読んで字のごとく「こっちの岸」です。

「こっちの岸」「こちらの岸」は親がいて子がいる世界というイメージで、「あっちの岸」に渡るということは、親から離れて彼女なんかとよろしくやっていく世界という感じです。

「色気付く」前であれば、どんなに反抗期であろうが、あくまでも「こちら側の岸」にいる状態ですから、極端な話、

「めしを食わさん」

という親の最大で最高の立場を利用して、手なづけたり、振り向かせたりする手立てはなにがしか残されている。

それでも子供をコントロールできない家庭はありますが、手がまだ残されていると考えていい。

しかし、あっちの岸に泳いで川を渡って、泳ぎ着いてしまえば、もうあっち岸ですから、手も届かなければ、子供は子供でよろしくやっていくようになる。

親がこっちの岸から「今のままじゃダメなのよー!」と叫んでも、あっちの岸にいる子供は「えっ、なんか言った?聞こえねーな」

そんな感じです。

家庭教師ヴォックスに丹羽なんかは、いずれ親から離れて向こう岸に行ってもらわねばならないと考えているタイプですが、その時期はいつがいいのかは正解はありません。

先ほども書きましたが、今はいっこうにあっちの岸に渡ろうとしない人、いい年齢になっても決して岸を泳いで渡ろうとしない人も多くいますから。

川を泳いであっちの岸に渡るのがいいのか、渡らなくていいのかも特に正解はなく、ただただ親の、家庭の考え、方針があるのみです。

問題は、(親のフォロー)は「あっちの岸」にいる子供にはが効かなくなるということ。

勉強でいえば、これまでの親子でやってきた勉強の中で子供だけの部分で進んでいくことになります。

たとえ向こう岸に行ったとしても、すでに自立して勉強できる習慣がついていれば問題がないわけです。勉強に関していえばですよ。

だから、家庭教師ヴォックスでは、高校生になる(中学校を卒業)までに自分ひとりで勉強できるようになることを目標にしています。

これは高校生になったらきっぱり手放すという意味ではなく、家庭教師がフォローしてきた効率の良い、成果の出る勉強方法を自分ひとりでできるように訓練した上で手放すこと。

家庭教師との勉強を中断するのではなく、家庭教師との勉強を卒業するイメージです。

家庭教師ヴォックスでは、高校生になれば勉強は自分で、しかし、高校生でも、親がなにがしかのフォローをしながら見守っている人は多いです。

もし、中途半端な状態で子供が離れて行った場合はどうなるのか?

中高一貫校に行った方に特に多いですが、「中学生になったから」「受験が終わったから」と急に手放す方がいる。

まあ、受験までそれほど手をかけていなかったのであれば、それは当然の成り行きでしょうが、受験まで手をかけてきてともに伴走してきた方でも、疲れたのか、急にぱったり面倒を見なくなる。

「中学生なんだから自分でやってね」と。

それで子供が一人で授業を聞いて乗り切れればいいんですが、そうじゃないから面倒なことになる。

中高一貫校はご存じの通り進度が早い。進度が早いから高2までにはすべてを習い終えて、大学受験の準備に1年間専念できる。

なんてすばらしいんだろう・・・・と。しかし、進度が早いということは「わからなくなる進度」もかなり早くなるということを意味します。

「だんだんわからなくなった」のであれば、なんとなく頑張る、その場にいることも可能でも、「一気にわからなくなった」は、やる気を急速に萎えさせ、居場所がなくなったと感じる子供もいる。

中高一貫校は中学受験と同等の感じで中学校生活に突入しなければならないと繰り返し述べるのはそういうわけです。

中高一貫校に通うざっと約3割は中2までに勉強に関して言えば、「終わっている」状態であるといえます。

受験で終わりじゃない。しかし、子供は「中学生だから」と一人で立ち向かう。2回ほど波に飲まれて塩水飲んだら、もういけません。もうダメだとかもうイヤだとかもうどうでもいいやとか。

そのとき、「こうしてみたら?」とか「がんばってやっていこうよ」とかさっと手助けをしてやる。または溺れかけの自分を誰かが見てくれている、そういうことが大切になってきます。

塩水をたっぷり飲んで手遅れの状態のところに行って「どうしたの?頑張ってたじゃない!?」なんて行っても、遅いんですわ。

勉強に関して言えば、子供一人で処理するのは、親子で取り組んで勉強することと比較すれば残念ながら成果は期待できないでしょう。

中高一貫は6年。長い。6年間受験もなく、じっくり好きなことに取り組んで・・・とよく聞きます。

が、6年間わからない授業を7時間授業とか公立では休みの土曜日も聞かされて延々6年間・・・そいう子供だってたくさんいるのです。

ああ、私は中高一貫校でなくてよかったって!?

公立中学から公立高校に進む子供の場合は、これが高1で起こる。「もう高校生なんだから・・・」ですっかり手放す。しかし公立の進学高校も中学校に比べればはるかに質も量も上回る。

公立中学から進学校にの場合は、高1がモノすごく大事になる。予習に復習で必死についていかねば・・・・

中高一家校の中1の子と同じことが3年遅れてやってくるわけです。

なんだか相談とは違った方向に来てしまったと思われるかもしれませんが、相談者の場合、
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子どもは中学受験で県下一の中学に入りました。
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とあります。

高校にはつながっていないのか、改めて高校受験をされるのでしょう。お子さんがあっちの岸に行くまでのこの約3年間。

勉強はどうだったのか?
伴走をしてやったのか?
受験を乗り切ったその体制は中学入学後どうなったのか?

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六年生の春に転校してすぐの受験であり、それまで塾にも行ってなかったので、落ちたら可哀想と思う一心で私は必死で息子に勉強を教えました。

今思うと、それがいけなかったのか、自力で学習が出来ないところがあります。
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100歩譲って「自力で学習できない」としても、ともに学習してやればできる。この場合は、受験をしたのと同様、「必死」でやれば「できたはず」。

でも、受験の時ほどはしなかったのではないでしょうか。

これは責めているのではなく、お子さんが「あっちの岸」に行った1つの要因ではないかという家庭教師ヴォックスの丹羽の推測です。

できることなら頑張れるのが子供の習性。

当然、できなくなれば、また勉強をする理由や意味が見つからなければ、もっと自分らしくいられる気がする、そしてルンルン気分になれる「さかり」に行き着くのはある種当然の流れだったのかもしれません。

このあたりは、つまり「県下一の中学校に入って」からの約3年間を親としてどう過ごしてきたのか、「県下一の中学校」に入ったからには県下一の中学校に準じた勉強をしてきた上での今回のことだったのかどうか。

また、これを見ると、
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塾も彼女と一緒の英語の塾には行きますが、他は辞めてしまいました。
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ずいぶんフリーハンドな感じがします。「辞めてしまえるの?」と。

辞めさせなきゃよかったのでは?

「いや、どうしてもやめると子供が言って・・・・」

であれば、もう主導権は子供のほうに行ってしまっているというか、それこそがあっちの岸に行く大きな要因でもあったりして。

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親として居心地の良い、暖かな居場所を提供したくても、あまりの不甲斐なさに腹立たしさや情けなさで一杯です。
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このコメントはかつてブログで書いた競走馬が牧場に返って来る話
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競争ばっかりしてると子供も心が冷えるんだよ

だから牧場へ帰ってくる

ここで心をあっためているんだよ

牧場はきっと子供にとって一番あったかいとこなんだ
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を受けてのことだと思いますが、匿名さんのお子さんは、今は外に出て厳しい競争もしていないから、心も冷えていないんじゃないでしょうか。

むしろ彼女と一緒で十分あったまっている、ポッカポカの感じだと思いますよ。

厳しさがあって、あったかさがあるからホッとできる。その強弱、メリハリの部分は明確にしておく必要がある。

今起きている現象というのは、今日のことが原因ではなく、以前のことを原因として今の現象がある。

勉強面にのみに特化してここまで述べてきましたが、今のようなことになった原因は匿名さんに考えていただきましょう。

さて、では、結論として、もうダメなのか?

匿名さんのお子さんは「彼の岸」、すなわち、あちらの岸に泳いで行っていますが、時にはこちちの岸にも泳いで帰ってくる状態ではないでしょうか。

つまり、泳ぎ着いて、あっちの岸の人になったまではいっていない状態ですね。

こっちの岸から「おーい」とあっちの岸に問いかけてみれば「なーに!?」くらいは投げ返してくれる距離と言いましょうか。

それが出ているのがここでして、
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問題集を買ってきてとか、わからないところはすぐ私に聞いてきます。勉強は食卓テーブルでして、決して自室ではしません。
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これは片足が半分家のほうに残っている状態とも言えます。

それは中学受験の時の感覚がそうさせるのかはわかりませんが、可能性はこちらの岸にかかっているその片足の部分と言えるのではないでしょうか。

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あと一ヶ月半…親はどう接するといいのでしょうか。
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この3年間を検証して考えるべきだというのは先に書きましたが、その3年間をこの1ヶ月半で取り戻せる可能性はかなり難しいと経験上思います。

しかし、うまくいかない時に助けを求めてくるのは親に対してであろう可能性は片足分は残っている。

それは受験が終わってなのか、今の彼女と別れた後のなのかは定かではありません。が、そのときに問題点を指摘して改善できるように今は見守る。じっと観察する。

もう知らないと投げ出さずにこの3年間を検証しつつ、見守り続ける。じっと見守るというのは、これは親にしかできないことなんです。

たとえば学習塾の先生だったら、こういう状態になれば、お手上げですと普通はなりますから。

だから、「もし頼ってきたら・・・」を考えて問題点やどうすべきかを考えてやれるのも親しかいない。

そんな風に家庭教師ヴォックスは思っています。

実に明快でない相談のお答えで心苦しいばかりですが、どうぞお許しください。

家庭教師ヴォックス・・・

www.theholdsteady.com